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2023.02.15

涅槃図公開

2月15日は釈尊がお亡くなりになられた(入滅)涅槃会(ねはんえ)です。

 

涅槃会のころには毎年福厳寺寺宝涅槃図を公開しております。

 

この大きな涅槃図には付属の巻物が伝わっており、享保三年(1718年)に有志の方々が福厳寺に涅槃図が無いことを憂い、御寄進下さったことが記されております。

 

以来、300余年大切に守り伝えられてきた福厳寺の寺宝であります。

 

 

この巻物には貴重な内容が記されております。

 

涅槃絵像序

釈迦(しゃか)如来、始(はじ)め鹿野(ろくや)苑(おん)より、終り跋提(ばつだい)河(か)にいたるまて、

四十九年三百餘会(よゑ)の御説法(せっぽう)、皆これ衆生済(しゅうやうさい)渡(と)の

方便(ほうべん)にして、かりに世の例(れい)にならい、涅槃(ねはん)を示(しめ)し給ふ事、生者必滅(しょうじゃひつめつ)、無常(むじょう)の理をあかすとなり故に(けるかゆへ)、天竺(じく)大唐(たう)我朝風(ちう)寺院(じいん)僧舎(そうしゃ)には、皆此像(ぞう)を絵(ゑ)かき、供養(くよう)営(いとな)む事、佛(ほとけ)の慈(し)恩(おん)を報じ、かねては此涅槃像(ねはんぞう)を信(しん)向(かう)し、供養(くよう)をなすの輩(ともから)は、現(げん)世安穏(おん)・臨終(りんしやう)正念(しょうねん)にして、後世佛果(こせぶつくわ)菩提(ぼだい)を成就(じょうじゅ)すとの経文(きょうもん)なり、

茲(ここ)に下野(しもつけの)国(こく)足利(あしかゝ)多宝山(たほうさん)福(ふく)厳寺(こんし)、灵(れい)宝(ほう)略(ほゝ)そなわれるといへとも、いまだ涅槃の絵像(ゑぞう)所持(しょじ)なしを、久しく此事をなけくといへ共、一人の力(ちから)に及(およひ)ひかたく、此度すん(寸)信を発起(ほっき)し、此像を絵かき納(おさ)めん事をのそむ、

心さし有(ある)の輩(とのから)は多少にはよらす、同じ随喜(ずいき)の功徳(くどく)を成(ぢう)就(じゅ)いたし給はゝ、志(こころざし)の戒(かい)名或(あるい)は祈祷(きたう)の俗(そく)名、彼(か)の絵像の裏(うち)に書付(かきつけ)、毎年二月十五日・七月十五日の両度、本堂にかけ、恭く供養(くよう)回向(ゑこう)なす時は先の云所の現世(げんせ)安穏(あんおん)・後(ご)生佛果(ぶつくわ)菩提(ぼだい)を成就(ぢうじゅ)せん事疑(うたがい)なし、

願主(くわんしゅ)敬白(つつしんてもふす)

 享保三戊戌年

      七月          紹高秀山

 

 

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